私は経済学科であるが、合理的経済人の壁にぶつかり政治学科のゼミに入ったことは前に述べた。そのことで「実証」の重要性を考え、またその方法を身につけることができたことは大変有意義なことであった。政治学は、経済学よりも実証を大事にしている側面があるのである。
政治学を学びよかったことはこれだけではない。政治学は、隣接学問領域が混在した学問であるといえる。経済学や心理学よりも発展が遅かったからか、それらの学問の知見を多く導入しながら発展してきた。よって、政治学を学ぶことは、経済学や心理学、社会学をも学ばなければならない。そして、学際的な性格のある政治学は、各ディスプリンを統合できるような方法論を模索している。人工的な区切りを超えた視点を、政治学の方法論は持っているのである。
この政治学を学ぶことで、私は広い視点を手に入れることができた。具体的には、投票行動を研究することで、必然的に社会心理学と経済学、社会学を学ぶことになった。そして、それらを混合したアプローチで研究した。
社会現象を考えるときに、各学問だけの閉鎖的な視点で考えるのではなく、柔軟で広い視点を持つようになったことは、政治学を学んだゆえであろう。
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