-学問と実務の架け橋を目指して-

2013年3月17日日曜日

【学】社会科学が「科学」であるには


 社会科学は、(多少なりとも)複雑だと認識される社会を対象とする。そのなかで、社会科学者が(最終的には)目標とする理論・モデル構築を行うために、一定のルールが必要となる。研究設計の基本部分が、共有されず、科学者によってバラバラだと学問の知的体系を構築することはできない。このことの重要性を鑑みれば、次のようにいっても過言でない。「科学」の中身は、主として方法とルールであって、研究の内容・主題でない。科学的な方法とルールに則れば、あらゆる内容であっても「科学」となりうるのである。となれば、私たち社会科学をするものは、研究が「科学」であるために、方法とルールを学ぶことが重要であり、最低限すべきこととなる。
 G.KingR.O.keohaneS.Verbaによる『DESIGNING SOCIAL INQUIRY : Scientific Inference in Qualitative Research(1994) は、社会科学における研究設計のルールを学ぶための必読書である。勁草書房より訳本がでている。真渕勝監訳『社会科学のリサーチ・デザイン-定性的研究における科学的推論』(2004)。これを読み返し、参考にしながら、今後、社会科学が「科学」であるための方法とルールを改めて考え、それに関する記事を不定期で掲載していこうと思う。

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