昨年、最高裁は09年衆院選挙に対して違憲状態との判決を出した。それにも関わらず衆院選挙制度改革は一向に進まない。確かに、各党にとって大変重要な問題であるために、熟議が必要となり、時間はかかるだろう。しかし、より一層この議論を進まなくする事情が他にある。それは逆転国会だ。この状態である限り、民主党は力強く改革を先導することができない。野党との合意なくして、法案は通らないからだ。
もちろん、逆転国会であっても、与野党間での議論により、法案を通すことはできる。むしろ、これが国会の望むべき姿なのかもしれない。ところが、選挙制度のように各党の利益が一致しづらい問題になるとたちまち決められない政治に陥る。
民主党は18日、衆院選挙制度改革の関連法案を単独で提出した。自公との合意は得られなかった。ただ、公明党に配慮し、連用制が盛り込まれている。連用制は中小政党に有利に働く性格を有する。この法案の制度を、09年の衆院選挙で想定してみると、公明党など中小政党の議席が急伸し、2大政党制は影をひそめ少数乱立の状態となる。
もし、現実に少数乱立状態になったら、日本の政治はどうなるのだろうか。各党が建設的な議論を行なうことができるだろうか。今の日本の政治を見ていると、私には不安がよぎる。選挙制度のような難題ではない問題でさえも、決められない政治になってしまうのではなかろうか。
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