内閣府は、12日に4月の景気ウォッチャー調査の結果を公表した。2〜3ヶ月先の景気をみる先行き判断指数は50.3となり、前月と比べ15.6ポイント上昇した。現状判断指数は41.6で、前月比16.3ポイントの大幅な低下となった。消費増税での落ち込みは、一時的であるとの見方が大勢であると解釈できる。
さて、この景気ウォッチャー指数とは何なのか。2000年から内閣府が毎月公表している、景気動向を測る1つの指標である。小売店の店主やタクシー運転手、レジャー業界など景気に敏感な職種の人々を調査対象に、現状の景気動向や2〜3ヶ月先の景気の見通しなどをインタビューして、景気動向を分析する。対象者を職種で絞っている点が特徴的であり、またインタビューによって景気を直接質問しているので、景況感を抽出できると考えられる。
他に景気を知ることができる指標は何があるだろうか。その代表的な指標として、同じく内閣府が公表している景気動向指数がある。「生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、 景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標である。」(内閣府HP)
この指数は、景気変動の大きさや量感を示すコンポジット・インデックス(CI)と、景気の各経済部門への波及度を示すディフュージョン・インデックス(DI)に大別される。CIによって、景気の拡張・後退は判断できる。しかし、変化の度合いまで判断したいのなら、DIも加味しなければならない。現在の内閣府は、CIを中心としながら、DIも参考指標として公表している。
また、CIとDIは、景気の変動と比較して動きがどのように動くかという基準から、先行指数、一致指数、遅行指数3つの指数をもつ。それぞれ、11系列、11系列、6系列公表される。詳しくは、http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/menu_di.html を参考にされたい。
景気動向指数は、インタビューではなく、生産指数など実体経済のデータから算出している点と、理論的に分析している点に特徴がある。
日銀短観(企業短期経済観測調査)には、景気指標として用いることができる指標がある。日銀短観は、日本銀行が3ヶ月ごとに、上場企業や中小企業に業況調査であるが、その1つである、好況感を感じている企業の比率から好況感を感じていない企業の比率を引いたDIという指数は、景況感であると捉えることができる。
景気(景況感)は、実体があるものでなく、また明確な定義はない。よって、GDPを景気と捉えてもいい。景気を測る指標を探すときには、捉えたいものが何かを定めたうえで、それに適する指標を探す、もしくは作成しなければならない。
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