-学問と実務の架け橋を目指して-

2012年9月7日金曜日

【政】 政局 ~自民党の迷走~

 自民党がおかしい。民主党への支持率が落ち込み、政権奪回を目の前にしているというのに、戦略がうまくいっていない。解散総選挙に追い込むのが、戦略の目標になるが、今国会中に実現しない。このようにうまくいっていないのは、消費税に関する3党合意がネックになっている。
 民主、自民、公明で消費税に関する3党合意を結んでから、自民党は民主党を追い込みにくくなっている。自民党内で消費税増税の必要性はコンセンサスを得ているので、増税と反増税のような完全な対立軸を民主党との間に作ることはできない。消費税法案を参院で難なく通すことになってしまう。野田首相―谷垣総裁の会談で、野田首相から「近いうち」に解散することを引き出しただけで谷垣総裁は落ち着いてしまった。てっきり2人の間では、具体的な解散時期について話し合われたのかと思ったのだが、問責を出す結果になっていることから見て、本当に「近いうち」だったらしい。これで納得したのは谷垣総裁の性格なのか。ただ、3党合意が谷垣総裁を束縛しているのは違いない。しかし、この停滞感と自民党内部からの圧力に耐え切れず、参院で首相に対する問責に賛成した。この問責の提出理由は「国民の生活が第一」などが作成したものであり、自民党が賛成することには大変問題がある。以下提出理由の原文。

 野田内閣が強行して押し通した消費税率引き上げ関連法は、2009年の総選挙での民主党政権公約に違反するものである。
国民の多くは今も消費増税法に反対しており、今国会で消費増税法を成立させるべきではないとの声は圧倒的多数となっていた。
 最近の国会運営では民主党・自由民主党・公明党の3党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成(かせい)に法案を成立させるということが多数見受けられ、議会制民主主義が守られていない。
 参議院で審議を行うなか、社会保障部分や消費税の使い道などで3党合意は曖昧なものであることが明らかになった。
 国民への約束、国民の声に背く政治姿勢をとり続ける野田佳彦内閣総理大臣の責任は極めて重大である。
 よってここに、野田佳彦内閣総理大臣の問責決議案を提出する。

 明らかに3党合意を批判しているこの問責決議に賛成した自民党は、自己矛盾に陥った。矛盾を起こしてまでも野田首相への問責に決議させたが、これでは自民党へ国民の不信が募るだけだ。3党合意に拘束された自民党は、3党合意を自分で批判し、政局を優先させるも評判は悪くなる一方だ。
 今、自民党総裁選が盛り上がっている。谷垣総裁は早々脱落する一方、他の立候補者が乱立模様。自民党が一連の矛盾した政局を行なっていても、近づいてくる政権奪回に、ベテラン議員は元気になってきた。

2012年9月6日木曜日

【映】 ニュー・シネマ・パラダイス(伊)’89


 私の実家は大阪だ。大学1年のときに上京した。それから3年が経った。僕も変わった。それは成長なのかどうかはわからないが、上京が僕を変わらせた一因だと思う。「地元を離れたら成長できる」「もっと大きな世界へ旅立ちなさい」上京前、今いる共同体から離れれば成長できるというような話をよく聞いた。その理由に曖昧さを感じていた。でも、なにか説得力は感じた。アルフレードは、サルヴァトーレに「若いのだから外に出て道を探せ、村にいてはいけない、そして帰ってきてはいけない」「人生はお前が観た映画とは違う。人生はもっと困難なものだ。村を出ろ。ローマに戻れ。もうお前とは話したくない。お前の噂を聞きたい」と言った。サルヴァトーレは村を出て、映画で成功した。
 これからも、僕は外の世界へ挑戦していきたい。そして、よい「噂」を地元に届けたい。4年前の自分では、感じることが出来なかったこの気持ち。これが成長なのかな。将来この映画をもう一度見よう。そのとき、また新しい気持ちを感じたい。サルヴァトーレの人生に乗せて、私の人生を思った。